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2023年6月期 個人投資家向け会社説明会資料 書き起こし(2022年11月30日)

2022年11月30日に行われた、全研本社株式会社個人投資家向け説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー
全研本社株式会社
代表取締役社長 林順之亮
全研本社株式会社
取締役管理本部長 鷲谷将樹
全研本社株式会社
コンテンツマーケティング事業責任者 本村丹努琉
関連動画
2023年6月期 個人投資家向け会社説明会 配信動画(2022年11月30日)

ご挨拶/自己紹介

ご挨拶/自己紹介スライド

鷲谷将樹(以下、鷲谷):皆さま、こんばんは。
全研本社株式会社 取締役管理本部長の鷲谷と申します。
本日は主に進行を担当させていただきます。よろしくお願いいたします。
まずは、本日の登壇者を紹介させていただきます。
代表取締役社長の林でございます。

林順之亮(以下、林):林順之亮です。
少し司会の鷲谷さんが硬いので、私が他己紹介させていただきますね。
彼は(前職が)トーマツIPOチームの会計士でありまして、弊社の上場請負人として数年前に来てくれて、見事4年少々でグロースの上場まで導いてくれました。頼りになる男でございますので、どうぞよろしくお願いします。

:隣におりますのが本村です。彼は主力事業で、この10年で30億超まで持ってきてくれました。彼が全研の屋台骨を作り上げてくれた立役者でございます。

本村丹努琉(以下、本村):本村丹努琉(タツル)です。よろしくお願いいたします。

ご挨拶/説明会のご案内

ご挨拶/説明会のご案内スライド

鷲谷:では、本日の予定となります。
前半20分から25分間で、コンテンツマーケティング事業の強みなどについてご説明させていただき、残りの時間でいただいておりますご質問への回答をおこなってまいります。
よろしくお願いいたします。

さて、今日初めて全研本社のことをお聞きになるという方もいらっしゃるかと思いますので、まずは会社の概要や事業の概要について、林からご説明をさせていただきます。

会社概要/ビジョン

会社概要/ビジョンスライド

:弊社は47年前に創業いたしました。
元々は教育事業として創業しましたが、私がちょうどジョインした20数年前にIT事業を立ち上げまして、日本の生産年齢人口減少という社会課題に対してITと教育ソリューションを提供するという形で頑張っています。

会社概要/会社概要

会社概要/会社概要スライド

:現在、3セグメントで事業展開をしています。
子会社はサイシードと全研ケアでございます。
従業員数が492名、前期末より約24名プラスとなっています。

会社概要/事業の概要

会社概要/事業の概要スライド

:売上はITセグメントが8割、そしてうちコンテンツマーケティング事業が6割。利益を見ても、ITが約8割を占めます。
このようにコンテンツマーケティング事業が弊社の柱であるという状況でございます。

コンテンツマーケティング事業の強み(アジェンダ)

コンテンツマーケティング事業の強み(アジェンダ)スライド

鷲谷:ここからは、主力のコンテンツマーケティング事業を深掘りしてまいります。
本日はこのようなテーマで進めてまいります。

では、まず事業の成り立ちと推移についてです。こちらは全研本社のIT事業を立ち上げた林に話を聞いていきたいと思います。
当社は教育からITへ業態転換をしていますが、「そもそもどういったきっかけで業態転換をしたのか」、また、ITといってもとても幅が広いので「ITのどんな事業から始めたのか」ということについて教えていただけますでしょうか。

事業の成り立ちと推移/事業の変遷

事業の成り立ちと推移/事業の変遷スライド

:もともと私が全研グループにジョインした当時は学研の販売会社の社長をしていました。
教育事業イコール子供が対象ですから、少子化という非常に重い問題を抱えていまして、「多分このマーケットは先細りしていってしまうな」という不安がありました。
当時はやはりこれからITであろうと感じていながら、いろいろ試行錯誤をした結果、パソコン教室のオンライン授業、つまり今のZoomのような仕組みを使って、例えば北海道の先生が沖縄の生徒のパソコン画面上に表れて「ここをクリックして」、「こうドラッグして」のように……、そういうオンラインパソコン教室のフランチャイズ事業というのを立ち上げたんです。

鷲谷:なるほど、そうすると今の主力のコンテンツマーケティング事業とは全く違うところからこのIT事業が始まった、ということですが、現在のコンテンツマーケティング事業がこの形となったのは、どういう背景からでしょうか?

:生徒の画面に入って先生のカーソルが生徒のパソコンに表示されるというような画面共有システムのようなものを開発しました。
しかし、今でこそZoomと言われれば誰しもピンと来ますけれども、その仕組みを20数年前にフランチャイジーの方々に理解してもらうのが結構難しかったんです。
そこでイラストを駆使した、いわゆるコンテンツメディアを作ったわけです。
「教えマウス」とか「見えるボード」とか、ネーミングもかわいらしく工夫しました。そうしたところ、そこ(コンテンツメディア)を経由して来た人がなぜか非常にコンバージョンするようになったんです。
それをグループの他の事業で試してもうまくいき、次は知り合いの会社さんの事業で作ってもうまくいくようになったんですよ。
これらは、今でいうオウンドメディアのようなものですが、単なるオフィシャルサイトで箇条書きされたWEBページでは読み応えもなく、腹落ちしにくいということで、様々なメディアを作り始めたところ、ことごとくうまくいったんです。

事業の成り立ちと推移/メディア件数および平均継続期間

事業の成り立ちと推移/メディア件数および平均継続期間スライド

:そこから、「これは事業としてこちらの方が伸びるのではないか」と考え、今では年間400から500近い集客メディアを制作し、年間1,300近いメディアを運用しているという状況です。

コンテンツマーケティング事業の特徴

コンテンツマーケティング事業の特徴スライド

鷲谷:ありがとうございます。
では続きまして、当社のコンテンツマーケティング事業の特徴が何なのか、外部の方々にはイメージをしにくいという声を頂いていまして、こちらをコンテンツマーケティング事業の責任者である本村からご説明をさせていただければと思います。

主力事業の特徴①/専門メディアのない市場に専門メディアを作る

主力事業の特徴①/専門メディアのない市場に専門メディアを作るスライド

本村:はい、当社のコンテンツマーケティング事業は、WEB上にメディアを作り、そこに広告枠を設ける、いわゆる集客のお手伝いをする、というシンプルなものではあるのですが、少し変わっているのが、誰もが利用するであろうビッグマーケットでは展開しておらず、どちらかというと市場規模が小さい、専門領域に絞ってメディアを作っています。

鷲谷:市場規模が小さくて、専門性が高い市場とは具体的にどういったものになるのでしょうか。

本村:そうですね。例えば、家を建てるときに参考にする大手ポータルサイトというと皆さんいくつか頭に思い浮かぶかと……。
当社はそういった住宅全般の大型ポータルサイトというものは取り扱っておらず、仮に、レンガの家づくりをしたい、レンガの家を建てたいユーザーが世の中にいますと、そういうユーザーに向けて、レンガの家づくりが得意な工務店やハウスメーカーさんだけを厳選して紹介するメディアを運営しています。

そのほかにも例えば、歯医者さん探しのポータルサイトはたくさんありますが、例えば子供に矯正歯科を受けさせたい親御さん、そういった方に向けて、小児矯正が得意な歯科医院だけを掲載する専門メディアを作っています。また最近は、男性の眉毛サロンが今流行っていますので、メンズ向けの眉毛サロンに特化したメディアも取り扱っています。

鷲谷:その分野に興味のあるユーザーにとっては当社のようなメディアは重宝いただけると思います。
ただ、ビッグマーケットでも十分に勝負できるのではないかなと思うんですけれども、なぜそこまでニッチマーケットにこだわっているのかを教えていただけますか。

主力事業の特徴②/市場のメディア価値を高める

主力事業の特徴②/市場のメディア価値を高めるスライド

本村:はい。実は10年ほど前までは、化粧品や美容外科といった、検索数も多く、また企業が積極的に広告費を使うような、そういったビッグマーケットでのメディア展開をしておりました。
ただ、苦労して検索順位を上げてユーザーを集めても、思うようにコンバージョンの数が伸びなかったんです。
そこで原因を調べる中で、検索結果画面の一番上から一番下までポータルサイトや比較サイトや口コミサイト等のメディアで溢れ返っていて、これでは一つのメディアの影響力が少ないものとなってしまうと感じたんです。

鷲谷:そうですね。検索数が多ければ、すなわち需要が多い、というように見ることもできると思いますが、広告の効果をより発揮させようと考えた時には、競合するメディアが多ければ、埋もれてしまうのかなと。
逆に競合メディアが少なければ、それだけ価値のあるメディアになるということですね。

本村:はい。今では、Googleが無料で提供しているキーワードツールというものを使えば、月間でユーザーが何人検索してるのかという検索数を調べることは誰でもできます。
ですから、皆さん、それを参考にマーケティング施策を実施されるわけなんですけど、大事なのは検索数だけに着目するのではなくて、検索をした時に、そこにユーザーが求めているような情報が掲載されているメディアが他に無かった場合、そこ(当社のメディア)に当然、ユーザーはこぞって集まりますから、メディアが今存在しているかどうかというところは非常に大事になっていると思います。

以上から当社の事業方針としては、『専門メディアのないところに専門メディアを作る』というものです。
これがユーザーのためになり、ひいてはクライアントのためにもなると思って運営をしてまいりました。

鷲谷:なるほど、ありがとうございます。専門メディアのないところに専門メディアを作ることで、影響力のある媒体を運営できるというわけなのかなと。
つまり、ユーザーにとって影響力があるだけではなく、クライアントにとっても集客力が高いメディアができるということなのかなというように理解しました。
しかし、興味のあるユーザーを集めることのできるメディアがすなわち、クライアントの契約率が高まるメディアというようには(簡単には)ならないと思うのですがいかがでしょうか。

主力事業の特徴③/クライアントの強みをユーザーに理解してもらう

主力事業の特徴③/クライアントの強みをユーザーに理解してもらうスライド

本村:そうですね。ターゲットとなるユーザーは、メディアの専門性を高めていければ集まると思います。先ほどの例で言いますと、レンガの家づくりに興味のあるユーザーしか、(仮称)「レンガの家づくりメディア」には集まりませんから、ターゲットはしっかりと特定できます。
しかしユーザーから見て、クライアントの提供するものが、競合と比較した時に何が優れているのか、いわゆるクライアントの強みをユーザーにしっかり理解してもらった上で、問い合わせに繋げる……。そこまでやって集客力というのは発揮されるものと思います。

鷲谷:なるほど。
少々答えにくい質問かもしれないですが、競争力のない、強みが無いというクライアントがいらした場合はどうするのでしょうか。

本村:強みが全くないクライアントは多分無いと思うので……、どちらかというと、どの強みを生かすべきか、また、その強みはどういったターゲットのユーザーに興味を持ってもらえるのか、そういったお悩みをお持ちのクライアントは多いので、私たちがメディア展開する際には、そもそも誰をターゲットにして、どの強みを活かして、そしてどう表現していくのかといったところを、とことん議論して展開していくことにこだわっています。

競争優位性とは

競争優位性とはスライド

鷲谷:ありがとうございます。
それでは、続いて当社のコンテンツマーケティング事業の競争優位性について本村部長、教えていただけますでしょうか。

競争優位性/コンテンツ制作力

競争優位性/コンテンツ制作力スライド

本村:はい。競争優位性について、模倣されにくい事業なのかどうか、といった点からお答えさせていただきます。
当社の事業というのはいわゆる専門メディアを作るという事業ですが、専門性の高いメディアを作るには、専門知識が必要です。
そうしますと、不動産、金融、医療や製造などあらゆるジャンルに精通したライターが必要になります。さらに、それを編集するディレクターもたくさん必要になるわけです。
当社では、ライターステーションという、SOHOライターが1000人以上登録しているプラットフォームを有している点が大きな強みです。これにより様々なジャンルのライティングを可能としています。
そして、200名近い編集ディレクターも社内に在籍しておりますので、一気通貫でメディアを制作できる体制です。これと同等の制作体制を築くのはかなり難しいと思いますので、これは競争力として働いていると思います。

マーケティングDXへの貢献について

マーケティングDXへの貢献についてスライド

鷲谷:では、最後にマーケティングDXについてです。
昨今、様々な場面でDXが話題となりますが、中でも当社はマーケティングにおけるDXに貢献できるのではないかというように考えます。そこで、当社のコンテンツマーケティング事業が「具体的にどのようにマーケティングDXに貢献し、どんな価値を提供できるのか」、こちらも本村部長よろしくお願いします。

主力事業のマーケティングDXへの貢献

主力事業のマーケティングDXへの貢献スライド

本村:はい。DXは、デジタル技術を使って業務プロセスを改善することを指すとの認識ですが、マーケティングにおいても非常に注目されています。
以前はとにかく問い合わせ数を増やせというような社内目標があり、いかに問い合わせ数を獲得するかと考えていたと思います。最近はむしろ、いかに無駄な問い合わせ数を減らすか……、いかに確度の高い問い合わせ数を増やすかという話にシフトしてきています。

マーケティングの重要な指標として、CPA(cost per action )という指標があります。たとえば100万円の広告費をかけて、何件の問い合わせを獲得したか……。100万円かけて100件の問い合わせだったらCPAが1万円、となりますね。
ただ、今はCPAからCPO(cost per order)といい、同じ100万円をかけたのであれば、その100万円で何件の契約が取れたかというところを特に重要視するようになってきています。

さらに、「100万円の広告費をかけて、100件の問い合わせが来て……でも1件しか契約取れませんでした」とします。
対して「100万円の広告費をかけて1件の問い合わせのみ。しかしその1件が契約になりました」とします。
CPOという観点からすると同じように見えます。同じだったら、100件問い合わせ来た方が気分いいのではないかと思うかもしれません。しかし、実はその裏で99件分の対応コストが発生しています。

人手不足の今の時代では、いかに効率よく営業活動をしていくかが大事になってきますから、興味度の高い問い合わせを得て、少ない問い合わせ数でもしっかり契約が取れるようなマーケティングプロセスを実現する、これが非常に大事になってきています。
営業効率が改善できるマーケティングDXを実現したいと思う方は、ぜひ当社のサービスを利用していただきたいですね。

鷲谷:マイナビニュースで本村が当社のクライアントにインタビューしている記事があるのですが、その中で「問い合わせが入る段階で営業プロセスの6割が終わっていると感じました」という、嬉しいお言葉をいただいております。
このように、営業プロセスが従来より短縮されるというところが、当社の提供するマーケティングDXであろうと捉えています。

質疑応答

質疑応答スライド

●円安の影響について

鷲谷:円安関係のご質問です。
「海外人材について円安の影響が気になりますが、予定通り日本に来ているんでしょうか」
「介護人材を 海外から受け入れる事業を始めていると思いますが、円安により計画に狂いは出ていますか」とのことです。

こちら、特に影響はございません。
また海外人材についても、予定通り来日しています。
介護だけでなく、ITの分野でも海外人材を日本に受け入れるという事業をおこなっていますが、確かに、円安が進むと海外人材の方の給料が目減りするという面においては、やはりネガティブな印象を受けられる方が多いのではないかと思います。
しかし実際には、計画への影響としては軽微というように判断しております。
コンテンツマーケティング事業ではいかがでしょう。

本村:対象顧客のほとんどが国内の会社です。クライアントが円安によるダメージを受けたことで広告費を削減しないといけない局面になった場合は、影響が出ることが考えられます。
しかしその半面、円安によって好影響を受ける会社もありますから、そういう意味ではネガティブ・ポジティブどちらもあり得ると考えます。


●海外介護人材事業の収益モデルについて

鷲谷:「介護人材についても、IT人材同様にサブスクモデルを考えているのでしょうか」といただきました。
IT人材ではサブスクモデル「Yaaay」を始めています、介護人材ではいかがでしょう。

:今のところは考えておりません。理由はというと、(海外IT人材については)このコロナ禍に日本で働きたいというインド人IT人材を1万人以上、弊社のデータベースに囲い込むことができました。
この2,3年弊社を追随してインドに来る会社はほとんど無く、登録人数でかなり優位に立つことができ、Yaaayというサブスクモデルが実現しています。

一方、介護人材はインドネシアの限られた企業で、介護教育と日本語教育を施して招致するというパターンで、海外IT人材と比べるとパイが非常に少ないです。
日本中の介護施設の方々に受け入れていただく為の育成に力を入れており、年収に比した紹介料や日本語教育料を収益としています。

また、もう一つ、介護人材の場合、非常に大きなネックがあって、5年間で介護福祉士という資格を取れないと(ビザの関係で)帰国しなくてはいけなくなってしまうんです。
せっかく現場に慣れて日本語が流暢になっても、介護福祉士が取れないというだけで帰らなければいけなくなるという状況なので、定着への対策として、弊社は「日本語教育」プラス「介護福祉士までの教育」をセットで請け負って人材紹介しているわけです。
IT人材とは少し事情が違うとご理解ください。


●ワクチン予約システムで構築した販路について

鷲谷:「子会社のサイシードについて、ワクチン予約システムで関係を構築した自治体へ営業を広げていくとのことですが、自治体からの要望はあるのでしょうか」とのことです。

:行政を200以上も2年で開拓するなどということは、この特殊な状況でこそ実現したものと捉えています。これを利用して、ワクチン以外の当社サービスをご紹介させていただくことは適宜考えています。

鷲谷:自治体も、DXや業務効率化を検討されていますので、当社のソリューションがそれに役立てれば、というように思って動いております。


●還元方針について

鷲谷:では続いて「順調に事業が伸びていき、今後プライムを目指すにあたり、将来的に還元方針を明記する予定はありますでしょうか」とのことです。

これは準備出来次第、明記していかなければと考えております。
重要事項が発生したら、しっかりタイミング通りに発表というように考えております。


●1Qの利益進捗率について

鷲谷:「一見すると、1Qの利益進捗率が明らかに低いですが、これは計画通りなのでしょうか」とのご質問です。
当社の決算説明動画を見ていただいてのご質問かと思います。決算説明の中で2Qの予想に対する進捗率について、「売上高が大体46%、営業利益や経常利益は45%、46%の進捗」と開示しておりますので、半分行っていないではないかというご懸念と思います。

まず、1Qの利益進捗に関しては計画通りでございます。
メインのコンテンツマーケティング事業では、集客メディアを次々に作る積み上げ型となっていて、売上や利益が下期になるほど伸びてくるというものでございます。現状の進捗としては予定通りというようになります。
なお昨年はコロナワクチンの関係で、第1四半期から上方修正したということがあったのですが、今期は計画通り進捗しています。

:これは、新規メディアが減っていることに対してのご不安の声ではないですか。
この点は私の方から説明させていただきます。
これは、いわゆる「織り込み済み」と言えます。これまで採用面で苦労していたのですが、上場して1年経って色々な方々の応援のおかげで、採用が最近非常に好調です。
そのため新入社員の教育に取り掛かっています。鶏が先か卵が先かという話になってしまうのですが、主力のクリンナップの社員が教育に回るため、瞬間的に新規の売上が下がる傾向にあります。
育成ができたらまた上がる、という繰り返しが起きています。成長のための投資という意味合いで捉えていただけたら有難いです。

本村:足元の受注状況は良いので、しっかりメンバーが育ってきて、売上に関して下半期は大きく貢献できるのではないかと思っています。


●新規メディアのターゲットについて

鷲谷:ご質問二つ紹介します。
「最近の貴社のターゲットの変更について、話せる範囲で詳細をお伺いしたいです」、それから「新規公開メディアはどのような種類のものが多いのでしょうか」とのことです。

本村:はい。この2、3年好調なのがやはりBtoBです。ここに関してはまだまだマーケットがありますから引き続き注力していこうと思っています。
最近注目しているトピックスとしては、採用の専門メディアというのがとても好調です。こちらが来年下半期における成長ドライバーの一つとなり得るではないかと期待しているところです。

ここで採用メディアについてご説明させていただきます。たとえば医療関係専門の採用メディアや弁護士の採用メディアは既に存在しているかもしれません。
しかし、タクシードライバー専門の採用メディア、WEBディレクターになるための専門メディアなど、様々な職業・職業名にフォーカスを当てた専門メディアはまだまだ揃っていません。
土木施工管理技士、発注者支援業務……など、色々可能性があります。
専門メディアを作ることによって、その職業に就きたいユーザーがメディアを参考にして、クライアントへ応募する、という流れを構築しています。

:ぜひ「WEBディレクターになるには」と検索して当社のメディアをご覧ください。

本村:このメディアがあることで当社の採用に関してはかなり貢献してくれていて、こういったものを職業ごとに作っていくという考え方は、まず自社で証明できたものと思っています。

鷲谷:BtoBの話に少し戻しますが、具体的にどんなものが専門メディアとしてありますか?

本村:「メディア制作事例」と検索いただくと、一番上に当社の「キャククル」が上がってきます。そこで色々なメディアを紹介しています。業務用ラベラーの専門メディアや、排ガス処理施設の専門メディアや、あるいはロボット溶接機のメーカーなどを厳選して掲載しています。市場余地としてはまだまだありますね。

:BtoBは、電機・機械・土木・建設等、相当に広いマーケットだけれど、その市場規模に対してどのぐらい取れている、もしくは更にどれほど成長できるかという、イメージではどう?

本村:メディアを作る際にはいくつか指標を設けています。例えばどれぐらいの検索がされているか、どれぐらいのプレーヤーが存在しているか、などです。その観点から言いますとまだ取れているのは5%ぐらいと考えています。

:つまり余地は95%あるということですね。

鷲谷:ニーズは次々に生まれますし、検索ワードが増えれば市場が増えていくので、当社としては、生まれた市場に対して次々にアプローチできるという理解をしていれば良いでしょうか。

本村:そうですね。
毎年、新しい技術や商品が生まれますが、当然新しいものほど情報が不足しています。ドローンを使った調査、薬局のためのDX、スポーツクラブのDXなど……。

:次から次へと出てきますね。
しかし、BtoBも相当大きな市場だけれど、採用はその何倍も大きいですね。全会社が対象ですから。

本村:はい。採用サイトの他、会社側でもホームページとは別に採用サイトを設ける会社が昨今増えています。ただそこでは会社のPRが主となってしまっています。
ですから、求職者が求める「どんな仕事内容なのか」「その職業に本当に就きたいのか」といった情報を、職業ごとにその魅力をメディアの中で存分に語れる場所を作って、その職業に就きたいと思う人自体を増やす、という意義です。


●Googleアルゴリズムの変更の影響について

鷲谷:次のご質問に移ります。
「Googleのアルゴリズムの変更がおこなわれているようですが、業績への影響はありますか」とのこと。
つい最近もアルゴリズム変更がありました。

本村:影響は少ないと言えます。
理由としては、アルゴリズムの影響を受けやすい医療や健康などのメディアはそれほど取扱数が多くないという点がひとつ。
何より「専門メディアのないところに専門メディアをつくる」という事業方針でやってきたので、そもそも競争環境にさらされていない、つまり競合メディアがいないところが影響を受けにくい要因となっていると思います。

:そうですね。専門性の高いメディアを作って、そのコンテンツもリーガルも含めてGoogleのアルゴリズムのポリシーに則っていますね。


●メディア運用について

鷲谷:続いて「たくさんのメディアの運営・メンテナンスは大変ではないでしょうか」とのことです。
当社は今、1,300近いメディアを運営していますが、こちらいかがでしょう。

本村:社内にディレクターを100名以上、運用ディレクターを含めるとそれ以上のメンバーがいますので、1,000以上のメディアがあったとしても十分回せるだけの体制が築けています。
また、私たちのメディアは、常に情報を刷新したり、時代に応じた表現に変えていくといったところも力を入れています。

鷲谷:時代に追いついた更新や、情報をキャッチアップしていくというのはどのようにやっていますか。

本村:見るべき相手というのはGoogleとユーザーだと思うのですが、Googleに関しては、情報の発信元、信ぴょう性といったところがかなり細かく見られるので、例えば参考文献をしっかり明記したり、専門家に監修に入っていただいたりしています。
また、見ていただくユーザーに合わせた、デザインの使い方やフォントなどユーザビリティを意識して制作しています。


●BtoB注力の今後について

鷲谷:「コンテンツマーケティング事業はBtoBに注力し、コロナ禍の恩恵を受けたとのことですが、コロナ後も継続的な成長が見込まれるのでしょうか」とのご質問です。

本村:確かに、コロナで展示会が開けない中、クライアントが他の広告手段を探している中で、当社のWEBマーケティング施策をご提案して、一気に拡大したという背景があります。
現在は展示会も開けるようになってきたので、受注状況の減少を懸念されていらっしゃるのかと想像します。
しかし、幸いこの3年ほどでBtoBの専門メディアを使った集客の実績がかなり貯まりまして、この実績を使った営業活動にシフトしたところむしろ受注率は向上しています。実績が実績を生む、と言えます。

鷲谷:当社の集客メディアを利用されるクライアントが展示会に戻ってしまう傾向はありますか?

本村:WEBマーケティングも展示会も両方やろうという形が今多いと思います。

:BtoBのクライアントには、何十年もやっていて企業規模も非常に安定しているいい会社が多くあるのですが、WEB担当者がいない会社も多いです。
当社の場合は、コンバージョンしやすい状態までバイアス掛けて送客しますので、WEBマーケティングは引き続き重宝されています。


●キュレーションサイトの問題について

鷲谷:では続いて「以前、キュレーションサイトが問題になったことがあると思いますが、今運営しているサイトに問題はないのでしょうか」というご質問です。
5、6年前でしょうか、キュレーションサイトの問題がありました。

:弊社は法律の専門家を社員で5人抱えています。
1,000名以上の外部ライターが書いたものを100名以上の内部編集者がチェックしてコンバージョンしやすいように整えて、最後にリーガルチェックが入って、ようやく公開できる、という厳重な体制でやっているのが非常に強いというところです。

本村:Googleも以前のようなキュレーションサイトを上位表示させないアルゴリズムになっているので、そういうメディアを作ったところで人の目に触れないと言えますね。

:リンクを貼ったりコピペを多用したりといった小手先のロジックも今は効かず、現在は優秀なライターが良い記事を書くことに尽きます。
ですから、ここにマンパワーを投入できない会社は生き残っていけないロジックになっています。

鷲谷:先ほど法律の専門家5名とお伝えしていますが、具体的には弁護士1名、司法試験合格者2名、法科大学院卒2名という体制です。


●単価の値付け方法について

鷲谷:では「コンテンツマーケティング事業で貴社が受け取るフィーは、案件ごとにどのように値付けをされるのか」ということです。また、「BtoB が増えることで平均単価が上がるのかなどそのあたりヒントをいただければ有難いです」といただいています。
平均単価は上がっています。値付けについてはどうでしょう。

本村:メディア制作に掛かる費用が一定数ありますのでそこに当社の利益を載せることになるのですが、クライアントの判断基準は当然に費用対効果に合うかどうかかと思います。

鷲谷:ちょっとストレートに答えられなくて申し訳ありませんが、次の質問に参ります。


●オンライン営業/オフライン営業について

鷲谷:「コンテンツマーケの営業は、オンラインよりもオフラインの方が多いのでしょうか」。

本村:クライアントによってオフライン対応もありますが、今も主流はオンラインです。


●プライム市場への移行について

鷲谷:「プライム市場を目指しているのか、いつを目途としているのか」。こちら林社長お願いします。

:はい、目指しております。明確にいつ、ということは申し上げられないのですが、必要なIRをおこない、プライムに上がるうえで必要な条件を、必要な期間を掛けて満たし、クリアできる期日など、これらは私の中でターゲティングできています。


●配当について

鷲谷:では続いて、なかなか決まった回答しかできかねるもので申し訳ないのですが……「配当についてどうお考えですか」というご質問です。

:プライムに上がるために成長しなければいけないので、成長のための投資を優先したい考えでおりますが、もちろん配当は配当でしっかり考えています。


●5年後のビジョンについて

鷲谷:最後の質問です。「5年後、どのような会社になっていたいのか」とのこと。林社長お願いします。

:この日本の人口減を何とかしたいという思いがあります。
我々は外国人人材に日本語教育を施して日本に供給し、特に最初に人口減が進む地方の企業を元気にしながら、日本の経済の弱体化が起こらないように、グローバル・インバウンド企業……、つまり、「海外人材といえば全研」、「マーケティングDXといえば全研」と言われるように、グローバル領域で日本の人口減少に歯止めをかけるために頑張っている会社。そんな会社に我々はなりたいですし、そう思われる会社を目指しています。

おわりに

おわりにスライド

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

※書き起こしに際し、ご理解いただきやすいよう、極力文脈はそのままに一部編集しております。ご了承ください。

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